有給休暇30日、消化率ほぼ100%! ”ところが” ストレスを抱え、鬱になってしまうドイツ人ならではの悩みとは?
有給休暇が年間30日与えられ、そのほぼ100%を消化する。
1年に1度は、3週間のロングバケーションをとる。
こんな夢のようなことが常識として根付いている国があります。”ドイツ”です。
ドイツ人は有給休暇とは、日頃のストレスを発散し、心身リフレッシュするためのものであるという考え方を持っています。
だから、病気になったときは、有給休暇を消化して休むのではなく、病欠で休むというのも常識です。
ところが、ストレスを抱え、眠れず鬱になったり、ぱたりと何もできなくなる「燃え尽き症候群」が社会問題になりつつあるそうです。
最近は、精神科やカウンセラーの紹介状をもらっても、順番待ちで半年見てもらえないこともあるほどだそうです。
そんな日本とは大きく異なる文化を持つドイツのことを、
ドイツに30年間住んだ川口マーン恵美さんの著書から学ぶことができたので、一部紹介していきます。
そもそもドイツ人は”なぜ”そんなに休めるのか?
ぼくたち日本人の感覚からすると、年間30日の有給休暇を100%消化することや一気に3週間休むなど考えられません。
そもそもドイツ人は”なぜ”そんなに休めるのでしょうか?
それは、休暇を前提とした代行システムがうまく機能しているからです。
つまり、誰かがいなくても他の誰かが滞りなく、業務を遂行できるシステムが構築されています。
具体的には、まず大前提として、同僚と休みが被らないよう、調整しています。
普段、融通の利かないドイツ人も休暇のスケジュールについては素晴らしく柔軟に対応してくれるそうです。
そのため、たいてい年次の初めに大まかな休暇のタイムスケジュールが決まります。
加えて、休暇中の留守電では、代行者の連絡先を教えてくれたり、
棚のファイルを同僚にもわかりやすいよう整理したりといった代行システムが機能するような工夫が施されています。
では、ドイツ人の抱える日本人には考えられない悩みを紹介していきます。
ストレス① 休暇の過ごし方が過激すぎる
筆者の周りには、キリマンジャロに登頂した人や10日かけてエベレスト山腹をトレッキングした人、南極大陸に行った人までいるそうです。
ここまで過激でなくても、基本的には3週間の休みをまるまる旅行に費やすドイツ人が多いようです。
これが原因で休暇疲れが溜まってしまっていることや仕事をする日常を退屈に感じてしまいストレスが溜まってしまうそうです。
ちなみにドイツでは、このように長期旅行をする人が多いため、
格安の長期旅行プランが多く用意されています。
ストレス② 短時間で多くの業務をこなす必要がある。
アンケートによると、ドイツで働いている人の3分の1が、同じ時間内にこなさなければならない仕事が増えていると感じているそうです。
ドイツ人は働く時間が短いので、当然生産性の高い働き方が求められます。
そのせいで、業務中に焦りを感じ、不機嫌になってしまう人がストレスを溜めてしまうということです。
ストレス③ サービス精神が皆無
ドイツでは、電車が止まってもたいていの場合、説明がない。
駅員に聞いてもわからないと言われなんの情報も得られない。
他にも、閉店間際の店に入ると店員にあからさまな嫌な顔をされるなど、サービス精神が皆無な人がいる。
この働き方は確かに問題です。
イェール大学の実験で小さな親切をした人ほど、ストレスに強く、ポジティブな感情になりやすいという研究結果が得られました。
なので、仕事においてもサービス精神を持って、お客さんに親切にすることは、自分の幸福感を左右する大事な要因になっています。
代行システムを構築してしまえば・・・
ドイツ人が抱えるストレスの紹介は以上になります。
確かに、ドイツ人レベルまで、休暇にこだわると、ストレスを感じてしまうかもしれないということは感じましたが、
日本人の有給休暇の取らなさも異常かと思います。
個人的には、代行システムの構築を実践して、有給休暇を取りたいと思います。
参考図書:「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち(著:川口マーン恵美)」